社用車導入で法人カーリースを活用して上手に経費計上と節税をする。

公開日:2024.01.23 更新日:2024.08.19
法人カーリース

法人カーリースの提案をしていて、クロージングのところまでいって、経営者の方から社用車の導入について最終的に顧問税理士に相談したところ、カーリースではなく、現金一括を勧められたので現金一括購入にしました。というお話をたまに聞きます。一歩踏み込んでその理由はなんだったのですか?と経営者の方に聞くと、ほとんど「現金一括の方が金利がかからないからと言われた」という回答が返ってきます。ですがそれは果たして決算書の作成を生業とする職業の方の判断としてふさわしい答えでしょうか?

法人なら金利も経費で落ちます。

節税と称して中古車の購入を勧めたり、家財の購入を勧めたりするのに、新車購入の際には金利が発生するからと言って現金一括購入を勧めるのは何故でしょう?個人ならわかります。金利は低いにこしたことはありません。発生しない方がなお良いです。ですが、法人の場合は金利は経費になります。納める法人税が減ります。そして前回のコラムで紹介したように社用車を現金購入するか、銀行借入で購入するか、法人カーリース導入をするかで、決算書は大きく変わってきます。それについて説明してくれる税理士さんはほとんどいません。個人と違って法人の場合、個人事業主、中小企業の規模でも運転資金として何百万円、何千万円のお金が会社の通帳に入っていることは普通です。だからといって安易に現金一括購入しても良いでしょうか?その通帳に入っているお金に使い道は書いてありませんが、買掛金の支払いや、給料支払い、光熱費、借入金の支払い等、様々な支出があります。また、リーマンショック級の不況や天災、新型ウイルスの蔓延等によって社会は大きく変わります。金利はそんな世の中に対応するための必要経費と捉えることも、長く事業を継続していくために必要不可欠な考えではないでしょうか。

必要の無いクルマ購入は節税でなく、納税の繰り延べです。

未だに決算で利益が出ると、節税対策で高級車の購入を勧められるお話を聞きます。確かにモノを買えば経費は発生します。ですが、その支出した金額に対してどれだけ法人税の納税額が少なくなったかを把握できているでしょうか?

法人がクルマを購入すると支払った車両本体価格と購入時の費用が現金で社外流出します。ですが、会社の経費になるのは支払った金額全てではありません。車両本体価格と購入時費用を合わせた取得価格を一度資産として計上し、定率法という方法で、取得価格の一定の割合分のみを経費計上ができるのです。乗用車であれば取得した年に計上できるのは取得価格の33.3%になります。そして、経費の発生は車両を登録した日から発生しますが、月割りになり、発生した月から決算月までの計上になります。利益が出たからと言って決算月にクルマを購入したとしても経費計上できるのは1か月分だけです。

例えば決算間近になり500万円の利益が出ると予想され、500万円の高級車を購入したとしても登録が決算月になれば現金支出は500万円ですが、経費計上できるのは(500万円×33.3%)÷12か月で¥138,750だけです。法人税の実効税率が25%だったとすると、クルマを購入しない場合の納税額は¥5,000,000×25%=¥1,250,000、クルマを購入した場合の納税額は(¥5,000,000-138,750)×25%=¥1,215,312ですので、節税効果としては¥34,688しかありません。残りの11か月分は来期以降の経費となるのです。1年で経費にできる全額を計上するためには決算が始まった月にクルマを購入しなければできないのです。決算が始まった月にその期の利益予測ができる会社は恐らく多くはないはずです。

また、今期黒字が出たとして、来期にもしリーマンショック級の不況や天災、新型ウイルスの蔓延等が起きたとしたらどうでしょうか。資金繰りに異常が起きたとして節税の為に購入したクルマを売却したとしても1度登録した車両を同じ額で買い戻すことはできません。もし銀行借入をして購入していたとすればまず返済をしなければ追加の融資も難しくなります。そこにさらに追い打ちをかけるように昨季未計上の11か月の減価償却費が発生してきます。

また、初度登録から4年以上経過している中古車であれば支出額全額を経費にできる方法があります。ですが、利益がでる度に必要のないクルマを買う意味は果たしてあるでしょうか?また、中古車には新車とは違って中古車販売店の利益も上乗せされています。本当に全額節税効果になっているでしょうか?

 

法人の自動車購入を財務内容から考察する

まとめ

今は法人税の実効税率はかなり低くなっています。クルマを購入せず納税をしたとしても800万円までの所得であれば75%の現金が会社に残ります。無理に経費を作るよりも移り変わる時代の変化に備えて内部留保をしたり、新たな設備投資をしたり、人材確保の為に従業員の福利厚生を厚くしたり、賞与を支給したりした方が、長い目でみた場合、会社にとって有益ではないでしょうか?

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この記事の執筆者

國分 道雄

株式会社CAREVO専務取締役。福島県郡山市生まれ。19才の時にプロボクサーを目指し上京。神奈川県横浜市の大橋ボクシングジムに入門するもプロテスト受験前のアマチュアの大会にてKO負けを喫しあえなく挫折。その後大原簿記学校に通い税理士を目指すが、延べ2年で簿記論、財務諸表論、法人税法、相続税法、消費税法の5科目を一気に受験するがあえなく全敗。2007年社長兼父親の招集により地元福島に戻り、27才の時に㈱CAREVOに入社。その後昭和ドライバーズカレッジで普通自動車免許取得。現在税理士受験時代の経験を大いに活かし、法人カーリースの拡販に努めている。好きなアーティストは日本が世界に誇るロックバンド、B’z。好きな芸能人はあのちゃん。嫌いな食べ物は梅干し。

 

 

 

 

 

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